試してガッテン「風邪とどう向き合うか」(平成14年11月6日放送)
- 免疫が働き出す段階は次の二段階である。①くしゃみ鼻水の時に、風邪のウイルスをやっつけようとまずマクロファージが働いてインターフェロンが造られる。②次に喉が痛くなってくるのは、リンパ球の中にT細胞とB細胞が分裂して抗体を最長7日間くらいで作る段階である。だからリンパが腫れる。これが身体の最終兵器である。このようにして身体は風邪から身を守ろうとする。その身体を風邪から守るリンパ球の働きが一番阻害されること、つまりリンパ球が一番嫌がることは三つあるという。つまり「風邪を悪化させてしまうこと」が三つある。
- その最初は、(1)リンパ球は体中をぐるぐるパトロールして回っているので「水分不足」になると途端にその働きが悪くなる。次に(2)ステロイドホルモン(朝身体を目覚めさせる働きなどをするホルモン)が体内に出てくると、リンパ球は死んでしまう。そのステロイドホルモンが大量に出てくる理由は、無理に仕事をするというようなストレスがかかるときである。このように特にストレスは風邪を悪化させる最大の要因である。つまり「風邪を悪化させる最悪のものはストレスで、免疫力をさげてしまう」のである。ネズミの実験で二十四時間とじっと動けないようにしておくと、ストレスがたまり、ステロイドホルモンが普段の「4,5から7」(実験の数値上)に増えてしまう。その結果風邪のウイルスをやっつけてくれるB細胞は、なんと「七分の一」に減ってしまい、同じくT細胞も「四分の一」にまで数が減ってしまった。
- このように特に「ストレスは風邪を悪化させる最大の要因」である。風邪で休む時期は早ければ早いほどよいということができる。免疫こそが風邪に対抗できる唯一の兵器で、風邪のウイルスの型(形)はリンパ球に記憶され、次回同じ風邪のウイルスがやってきたときには早く治るようになるというメカニズムを持つ。注意すべきは次の第3番目である。(3)風邪をやっつけてくれるリンパ球が最も働けなくなってしまうのは、つまり風邪を治りにくくしてしまうのは実は風邪薬(特に解熱剤)である。風邪の初期段階でマクロファージの出す物質が脳に到達すると熱が出始めるのだが、熱が出るのは、風邪ウイルス退治には必要なことであるからである。
ノルウェー
- 風邪の初期段階で風邪薬を飲むと、却ってリンパ球の働きを邪魔してしまう。これは一番やってはいけないことである。これはどういうことであろうか。体温が三八度過ぎると人の免疫は最も活性化する。「発熱なくして免疫の活性化はなし」(新潟大学安保教授)というのが鉄則である。せっかく熱が出て、これから身体が免疫力で風邪をやっつけようとするときに、「熱が出ることは身体に悪い」と思いこんで、熱を無理矢理下げてしまう。しかしこんな時、むしろ「熱があるのを歓迎して、じっと寝てまず疲れを取ること」が肝心である。
- ポイントは「薬を飲むタイミング」である。これは次の3つのポイントを考慮すべきである。(1)風邪ウイルスが最も活発に働くのは、人の体温が35度、36度台の時である。(2)人の体温が37度から39度台になると最も人の免疫は活性化して風邪をやっつける。(3)しかし内臓はというと、38度台当たりから不活性化してくる。これら三つの観点から総合的に判断すると、「薬を飲むタイミングは大体三十八度を過ぎたあたりから状況を見て飲む」ということになる。総合的に見て合併症も気をつけること。
- 一番覚えておくべきことは、「風邪薬は風邪のウイルスそのものには全く効いていない」ということである。風邪には、くしゃみ、鼻水、喉の痛みなどの「症状」があるが、風邪薬は単に「これらの風邪の症状に効くだけ」であり、ウイルスに効く薬はない。「風邪のウイルスそのものを退治するのは、すべての人が本来持っているリンパ球の活発な働きだけである」というのは、重要な事実である。しかし薬は絶対飲まない方がよいというのでなく、なるべく安静にして「適時」(問題提起:抗生剤の場合の適時とはいつのことだと思いますか?→答えはこのHPの中にあります)飲むべきである。
- インガ医学からのコメント:
- 風邪に効く薬はまだ存在しません。抗生物質は使うほど風邪の菌も強くなり治りにくくなります。風邪のウイルスがいなくなって熱が下がるのは良いことですが、風邪のウイルスが除去されてもいないのに、せっかくの熱を早々に下げてしまうと、また風邪がぶり返してきてこじれやすい、というのが上記の番組の趣旨です。「熱が下がる=風邪が治った」「熱が出る=風邪に負けた」と考えるのは間違いであるといえます。インガ医学の施術は、リンパ球の活動を4倍から7倍に劇的に活性化することが可能です。これは風邪薬のように、鼻水、咳、熱などの単なる症状を取る「対処療法」ではなく、直接風邪のウイルスを取り除いたり、リンパの働きを活発化させる「根本治療」です。なお、上記の記事はNHKの人気番組「試してガッテン」(タイトルは当方で付けたもので番組中のタイトルではありません)からのものですが、ここで扱っている風邪は、インガ医学で言うところの「BC型」です。