以下はある患者さんに送信したメール
中耳炎のごく簡単な説明しますと、とにかく抗生剤で「中耳炎の根本原因」が治ると言う事はありません。理由は簡単です。
- 中耳炎になる原因は3つしかありません。1つは本来耳が悪いと言うことと、2番目は風邪でそれが毎回引いた時にきちっと治さないことと、3番目は免疫力の低下です。1番多いのは3番目です。耳鼻科に通って抗生剤を飲んでも、抗生剤で免疫力の低下が治るわけではありません。ただ炎症を「その時だけ」抑えているだけです。盲目的ではなくて理性的にきちっと押さえていくとことが重要です。
- ただこういう問題があります。それは隔週治療でポツンポツンと治療すると治らないケースがあるということです。抗生剤でも6~8日間飲んで治らなかったらだめですけれども、一応6~8日間は連続で飲むのと同じです。もし完全に免疫力を上げようと思ったら、3回連続で治療した方が良いと思います。お子さんのほとんどのケースがこの3番の免疫力の低下、あるいは不安定です。この免疫力の低下を教えてくれるのが中耳炎です。まさに炭鉱のカナリアで、免疫力が低下しているということを教えてくれる「警告灯」です。これがなかったらほんとに子供は死んでしまいます。現在お子さんは免疫力が1番下のメーターが振り切っている状態です。こういう点でご夫婦で意見が分かれないことを望みます。
- 厳密にいいますと、抗生剤は6~8日間飲むと、その時の炎症を抑えたら、その後は飲み続けても全く無意味です。先程も言いましたように炎症を抑えることだけが目的であって、恒常的な免疫力をアップさせると言う力は全くありません。理論的にもゼロです。それは全く非科学的な信仰です。その点ははっきりしておいてください。ただし最初の6~8日間位は飲んでもよろしいし、多くの場合飲んだほうが良いです。難聴になる可能性があると言われたようですが、チェックでは、現時点における難聴の可能性は0%です。